九州工業大学 × 北九州市 共同事業|平成28年度文部科学省「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」
「アンビエント」とは、自分のまわりの環境。アンビエント・ヒューマン・センシングは、人が普通に生活しているだけで、体と心の変化を分析・解析し、なりたい自分や・あるべき自分に役立つ情報をフィードバックする、非接触生体センサと行動認識AIの連携システムです。
インターネットの誕生から50年以上経過し、人とインターネットの関わり方は大きく変化しています。かつては、難解なプログラミングを理解しなければインターネットを使うことはできませんでした。
現在ではスマートフォンの登場により、子供から大人までが常にインターネットとつながっています。また、IoT(Internet of
Things)により、人間だけでなく、日常の身の回りにある家電や雑貨もインターネットにつながり始めています。
アンビエント・ヒューマン・センシングは、IoTの技術を基盤としつつ、自然な環境(Ambient)の中でひとびと(Human)の生活をやさしくみまもる(Sensing)世界を実現します。
雑音処理技術により、詳細な生体データを取得できる「生体センサ」と介護記録を自動化または予測できる「AI行動認識技術」を活用し、介護現場での安全性向上や業務効率化に貢献する事業を創出します。
生体センサ(開発・販売:ひびきの電子株式会社)
ひびきの電子株式会社(非接触生体センサ)
AI行動認識技術(開発・販売:合同会社オートケア)
(合)オートケア(商用サービス)
運転者を生体センサでモニタリングし、生体情報を短長期的に解析することで、運転者の疲労や異常を検知し、自動車制御にフィードバックできる仕組みを構築します。
【略歴】
1989年 電気通信大学卒業
1989年〜2002年 日本電気株式会社(SI市場開発)
2002年〜2015年 ソニー株式会社(FeliCa事業開発)
(2005年〜2007年 ソニーミュージックグループ)
北九州市は、政令指定都市で最も高齢化率が進んでいる街ですが、だからこそグローバルに展開できる課題解決先進都市になることができます。
このプロジェクトでは非接触で心拍・呼吸が計れる生体センサと、AIによる行動認識技術を駆使し、介護ロボット特区であり、公道を利用した自動運転実証コースも設定された北九州市発のアンビエント・ヒューマン・センシング(環境設置型生体センサ)関連事業を創出するエコシステムを作って行きます。
テクノロジーの真価は、人の役にたつサービスに昇華してこそ発揮されます。人体に全く触れること無く、生体情報を取得可能で、脈拍・呼吸・体動を検知して解析する技術で、健康や福祉のほか、ゲームやイベントなどのエンターテインメントの領域でも新しい価値を提供していきたいです。
アメリカの科学者Jim Greyは研究やイノベーションは、以下の4つの方法を経て発展すると提唱しました。
我々はすでに「4」の方法に突入しています。実際、近年の人工知能の進化も、主に人が作ったデータを自動的に機械学習するという、「4」の手法を活用しています。つまりこれからは、フィールドやデータがないと研究やイノベーションが起きないという問題に直面します。私は、この部分を解決することが、IoTの技術を基盤としたアンビエント・ヒューマン・センシングを確立するための究極の目標だと感じています。
政令指定都市の中で最も高齢化が進む北九州市の特性を活かし、独自性の高い「非接触生体センサ」と、実証を重ねている「行動認識・予測技術」の組み合わせで、高齢者や幼児などが「より安全に」「快適に」「健康に」生活するための「みまもり」や「行動変容」を実現するためのサービスを事業化し、グローバルに展開することを目指しています。
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高齢者や輸送事業者による疲労や体調不良による事故などを防ぐため、ドライバーの体調を常に把握し、異常を検知した場合は、ドライバーに注意を促したり、安全に停止させるなど、アクティブセーフティビークルとの協調による安全な交通社会を実現することを目指しています。
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スマートライフケア共創工房は、北九州学術研究都市内に整備された、アクティブシニアIoTに関するオープンイノベーション拠点です。九州工業大学が発信する最新技術を体験でき、介護とIoTという観点から、アイデアの創出からプロトタイピング、技術性能の評価まで行うことができます。
スマートライフケア共創工房は二つのゾーンにわかれています。機器や研究の体験や計測、評価ができる体験・評価ゾーンと、各種デジタル機器や工具をそろえ、プロトタイプ開発の作業が容易に実施できるプロトタイプ開発ゾーンです。
2階には人間の動きを特別なカメラと光学マーカーで記録や分析ができるシステム(MAC3D
System)や、筋電位、足底圧を計測できるセンサーなどを用意し、介護動作等について計測や分析が可能です。1階にはマルチカラーや様々な材質での造形ができる3Dプリンタ(Stratasys
Objet500)や大型のレーザー加工機(Epilog Fusion M2 40)および様々な工具を準備し、介護に関するさまざまなプロトタイプ開発を支援いたします。
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